"おいない"の京都最新情報

 2018年 7月 10日(火)


    [今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事】

★正月の縁起物「大福梅(おおふくうめ)」の土用干しが一〇日、上京区北野天満宮で始まった。市内が今年初の猛暑日となった炎天の下、緋袴(ひばかま)姿の巫女(みこ)らが汗をぬぐいつつ、ウメの実をむしろに並べた。
大福梅は、塩漬けしたウメを天日で干し、再び塩をまぶしてつくる。土用干しは梅雨明けの翌日から始めて、約四週間、夏の日差しにさらす。境内には五〇種約一五〇〇本のウメの木があり、今年も例年並みの約二・二トンの実を収穫して塩漬けしていた。
京都市内はこの日、最高気温が三十五・九度を記録し、今年一番の暑さに。巫女や神職たちは塩漬けしたたるから取り出した実を、日差しが均等に当たるよう位置を変えたり転がしたりしながら、むしろに並べていった。

     [ 祇 園 祭 シ リ ー ズ]

祇園祭の前祭(さきまつり)巡行(十七日)を前に、中心部の山鉾町で一〇日、鉾建てが始まった。くぎを使わずに建てられた鉾の「骨組み」がビル街に姿を現し、縄の結び目を固める木づちの音が響き渡った。
同日午前、四つの鉾で作業が始まった。下京区四条通室町近くの三つの鉾では「作事方」や「手伝い方」などと呼ばれる男性たちが、蔵から部材を取り出して組み立てた。さらに縄を使い、「縄がらみ」と呼ばれる技法で部材を固定していった。
同区四条通烏丸東入ルの長刀鉾では「清祓(きよはらえ)の儀」が行われ、八坂神社の神職が組み立て中の鉾をおはらいした。
繁華街を行き交う市民は、男性たちの手際よい様子に見入ったり、どんどんと組み上がっていく鉾を写真に収めたりしていた。

祇園祭の神輿(みこし)を鴨川の水で清める「神輿洗い」が一〇日夜、四条大橋で行われた。橋の上は威勢のよい担ぎ手と集まった市民の熱気に包まれた。
神幸祭(十七日)と還幸祭(二十四日)で市中心部を渡御する三基のうち「中御座」の神輿を清める神事。午後七時、長さ約三メートルの大松明(たいまつ)の火で沿道を清める「道しらべの儀」が行われた。さらに午後八時前、飾り金具を外した神輿が神社を出発し、四条大橋に向かった。
神輿が大橋に到着すると、神職や担ぎ手の代表が組み上げていた水に榊を浸し、勢いよく神輿に振りかけた。飛び散る水しぶきを浴びると健康や厄よけになるという信仰があり、橋の上では少しでもしぶきを浴びさせようと、担ぎ手たちが子どもを抱え上げたり、肩車したりしていた。