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上京区宝鏡寺は尼門跡寺院で通称「人形寺」の名で親しま三月一日の宝鏡寺雛祭には、本堂に飾られた雛段前で一弦琴が打掛け姿も艶やかな、島原の太夫がお雛さまにささげる、優雅な舞を奉納する。 同時に春の人形展が 四月三日まで開催される。 宮中の雅な装束を正確に再現した有職雛などの人形がたくさん展示されている。       
皇室から将軍家へ嫁いだ数奇な人生で知られる皇女和宮の持ち物だった桜の螺鈿細工が美しい文箱や四季花鳥図絵巻などの皇女和宮の御遺愛品はじめ、、伝来の愛らしい賀茂人形、花嫁行列なども展示されている。 
平安時代光厳天皇の皇女・華林宮恵厳禅尼(かりんのみやえごんぜんに)によって開かれた臨済宗の尼寺で、寛永二十一年(一六四四)、理昌尼王(後て以来は尼御所となって「百々御所」とも呼ばれ、尼門跡寺院職に迎えた歴史を持つ。父の天皇が折々に娘へ贈った数々の人美を伝えている。  歴代皇女ゆかりの人形を多数所蔵して毎年春秋に公開して、「人形供養祭」を行う 

  春三月は雛祭りを中心とした人形展。光格天皇から江戸時代後期に贈られた直衣姿、濃紫袴姿の有職雛は、若々しい夫婦の姿。 緋色ではなく、若い女性が着用する濃紫袴姿の女雛はとても珍しいという。           ※ 家庭で不要になった人形を持参すると、人形の供養をして引き取ってくれる。

 

  左京区真如堂(真正極楽寺)で三月一日、涅槃会法要が営まれ、江戸中期・宝永年間に描かれた縦メートル、横四メートルの極彩色大涅槃図が公開される。 涅槃会は灌頂会、成道会と並ぶ、仏教における三大仏忌のひとつ。釈迦が入滅した旧暦二月十五日前後に釈迦の入滅のときの様子を絵にした涅槃図を掲げ、その威徳を偲ぶ法要。  
真如堂が所有する涅槃図は穴が開いたり絵の具がはげ落ちるなど傷みが著しく、二〇〇九年、修復を完了した。 軸を含めて六十一キロあったが、裏打ちの麻布を和紙に替えて四釈迦が亡くなる様子を描き、涅槃会本紙は縦約五メートル、横約四メートル。全体は一七〇九(宝永六)年、三井家が寄進した。 横たわる釈迦の周囲で仏弟子や動物が嘆く様子に加えクジラ、タコなど海の生き物を含む一二七種類の多様な生物が描かれているのが特徴。 三十一日まで。午前九時~午後四時まで公開する。

 

 
涅槃会の菓子「花供曾(はなくそ)あられ」が授与される。 (以前は正月に本尊に供えた鏡餅を小さく刻んだものを使ったが、現在では軽く焼いたあられに黒砂糖を絡めた)。供物の花供御がなまって鼻糞と呼ばれた。