"おいない"の京都最新情報

2019年  4月 29日(月)


   【今日の情報 : 歳時記・催し・話題・出来事】
 
 ★「壬生さんのカンデンデン」の愛称で知られる国の重要無形民俗文化財壬生狂言」の春の公開が二十九日、中京区の壬生寺で始まった。
『ガンデンガン』の囃子に合わせて演じられる軽妙な無言劇・壬生狂言は、鎌倉時代壬生寺を興隆させた円覚が、民衆に仏の教えを身振りで伝えたのが始まりとされる。
七百年の伝統を伝え、重要無形文化財の指定を受けて、三十曲を受け継いでいる。
素焼きの皿を豪快に割る「炮烙割(ほうらくわり)」など五演目が上演され、一時は雷雨に見舞われた不安定な天候の下、集まった四四〇人の観客を沸かせた。
「壬生大念仏会」に上演される最初の演目は、太鼓屋が炮烙売りとけんかし、厄除けの炮烙を割るという「炮烙割」。
炮烙割は、市場の出店順を巡る太鼓売りと炮烙売りとの争いを描いて因果応報を伝える演目。鉦(かね)と太鼓、笛の音に合わせ、仮面を付けた演者がユーモラスな所作で笑いを誘った。太鼓売りが高さ約三メートルの舞台から約一一〇〇枚の炮烙を落とすと、大きな拍手が湧き起こった。
最後に、節分の日に家族の年齢や性別を墨書きして奉納された千枚以上の炮烙が舞台の上から落とされる
これが見事に割れると、災いから逃れ福を招くといわれている。
壬生狂言鎌倉時代の一三〇〇年、壬生寺の中興の租・円覚上人が、声が届かないほど大勢集まった群衆に身ぶり手ぶりで仏の教えを説くために始まったと伝わる。五月五日まで。炮烙割は連日午後一時からの初番。有料。
大人 八〇〇円、中高生 六〇〇円、小学生 四〇〇円。 
※ 二月、十月にも催される。
 
 ★ゴールデンウイークがスタートし、京都の社寺は大勢の人でにぎわった。伏見の城南宮では、恒例の平安時代のみやびな王朝絵巻を再現した優雅な貴族の歌び、春の「曲水の宴」が四月二十九日行われた。
お琴の音色が響く柔らかな木漏れ日が新緑を彩る庭園で、遣水(やりみず)と呼ばれる小川のほとりに座った歌人が短歌を披露し、多くの観客はひとときを雅な世界に酔いしれていた様です。
清流にのぞんで詩歌を作り、杯を巡らす曲水の宴は中国古代に始まった遊宴とされ、日本では奈良時代から平安時代中期まで宮中で特に盛んに開かれていたようです。
城南宮では毎年春秋二回開かれて、その都度歌題を定め、宮中衣装の色鮮やかな狩衣や小袿(こうちき)をまとい、公郷や女官にふんした男女七人の歌人が三十一文字の短歌を短冊にしたため、遣り水を流れてくる杯の酒を飲み干すという伝統の儀式。新緑がまぶしいさわやかな風にフジやヤマブキの花が揺れる庭園で、歌人たちは酒杯を乗せたオシドリ形の小舟が流れる前で、上流からゆっくりと杯が流れる中、その場で出された歌題に合わせた歌を短冊に書き、目の前の杯に手を伸ばしていた。今春の歌題は、新元号・令和の典拠となった「万葉集」巻五巻上流からゆっくりと杯が流れる中、その場で出された歌題に合わせた歌を短冊に書き、目の前の杯に手を伸ばしていた。
新緑がまぶしいさわやかな風にフジやヤマブキの花が揺れる庭園で、歌人たちは酒杯を乗せたオシドリ形の小舟が流れる前で、上流からゆっくりと杯が流れる中、その場で出された歌題に合わせた歌を短冊に書き、目の前の杯に手を伸ばしていた。
宴の間には白拍子の舞も静々と披露され、ゆったりと時間が流れる王朝の雅を今に再現し、新緑の中で繰り広げられる王朝絵巻です。
 
清浄華院:「畳供養」2019年
 ★長年使ってきた畳に感謝しようと、全国畳産業振興会が二十九日、日本唯一の「畳供養」がおこなわれる『畳寺の畳まつり』が、「浄土宗大本山 清浄華院で開催される。
畳職人や山伏が見守る中、古畳を組んだ護摩壇で、市民が畳の思い出をつづった手紙やござが焚(た)き上げられた。
畳の需要が年々減っている中で、「畳と暮らす心」を思い出してもらおうと、二〇一五年から初企画した。畳替えによる新たな需要も喚起したいとする。
この日は、僧侶らによる読経の後、十年以上使用した畳で組まれた護摩壇に、全国から寄せられた約一六〇〇通の思い出の手紙や、畳職人が願いを記した「護摩ござ」が燃やされた。参加した人たちはそれぞれの畳との生活に思いをはせていた。
会場の「浄土宗大本山 清浄華院」は、境内の真ん中に約二〇〇畳の畳が敷かれた「大殿」があることから「畳寺」とも呼ばれ、畳職人が多く訪れる場所である。実際の供養は、浄土宗の伝統的な儀式にのっとり、全国より集められた願いの書かれた古ゴザの「畳の護摩ゴザ」を、古畳で作られた「畳の菰」に入れて幽玄な炎で供養する。開催日の四月二十九日は、原材料のイグサが緑いっぱいに育つとして「畳の日」に制定されている。
今年から「畳供養」以外に、畳の歴史や伝統を体感できるイベントを増やし、『畳寺の畳まつり』へと進化。畳職人による「手縫い製作」の披露のほか、カラフルな畳などの「畳珍百景」コーナーも登場する。また、まつりの日限定で「大殿」の畳のイメージと、「畳寺」の文字を合わせた特別なデザインの御朱印もいただける。入場は無料。
 
 三千院で、平安時代作とされる秘仏の出世金色不動明王重要文化財)が開帳されている。五月十二日までの期間限定で、両目を見開いた迫力ある像を間近で参拝できる。境内の金色不動堂に安置されている像で、円珍作とされる。三千院の不動大祭に合わせて開帳している。
扉を開いた厨子には、煩悩を滅ぼす「智剣」を右手に、悪を縛り良いものを結びつける縄「羂索(けんさく)」を左手に持った不動明王が火炎を背に立っている。
また、不動明王の左手に結んだ「善の綱」の先は参拝者が握れるようになっていて、寺では「仏様と握手をしていただくのと同じ。より深くご縁を結んでいただきたい」としている。
 
✸画像が表示されない場合は下記のURLをUPしてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/oinaijp/folder/279901.html