2018年 3月 9日(金)
     [今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事]

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 左京区貴船神社で三月九日、雨水を司るタカオ神を祀り、「雨乞祭」が営まれる。
農事の始まりを前に、降雨の水の恵みと豊作で五穀豊穣を祈願します。

神水と神饌を献上して榊の葉をご神水に浸し、「雨たもれ、雨たもれ、雲にかかれ、鳴神じゃ」と唱えて天地に振りかけます。
この神社が鎮座するここは、鴨川の水源地にあたり、平安に都がおかれた時から水を司る神として崇敬を集めています。
「水を司る」とは、雨を降らせたり止ませたり、それだけではなく、一旦降った雨を地中にしっかりと蓄えて、少しずつ少しずつ適量を地表に湧き出させていく、そういう働き全体を指すことで、そこに神霊の働きを知り、その神様を高おかみの神という。
降った雨を地中に蓄えるのは、大地にしっかりと根を張った樹木の役割で、樹木の生い茂る水源の地こそ、水を司る高おかみの神が鎮まるに最もふさわしい場所であった。
貴船神社はまさにそういう場所に鎮座しており、貴船の語源は、「木生嶺」「木生根」だともいわれている。
 
 文化審議会は九日、三十三間堂東山区)の一〇〇一体に及ぶ木造千手観音立像を重要文化財から国宝に格上げするよう、林芳正文部科学相に答申した。
千手観音立像は、平安時代後期の創建時(一一六四年)の一二四体と、鎌倉時代の焼失後の再興で慶派や円派といった仏師集団が手掛けた観音像などからなる大群像。
一九七三年度に始まった全観音像の保存修理は、重文の彫刻一件の修理として過去最長を記録。四十五年間に及ぶ作業が昨年末に終了したのを機に、王朝文化の華やかさと壮大な規模を伝える記念碑的な作例として、国宝にするよう求めた。
三十三間堂の本坊妙法院門主は「今回の指定で堂内の仏像全てが国宝となり、次世代に伝える責任の重さをあらためて感じる」と話し、記念誌の発行など情報発信に力を入れるという。
   2018年 3月 10日(土)
     [今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事]
西京区・虚空蔵法輪寺で「芸能上達祈願祭」が三月十日に行われる。
空海の弟子にあたる道昌が虚空蔵菩薩を安置し、知恵と技芸を授けてくれる守護仏として古くから人々の信仰を集めている。
芸の上達を願う祈願法要が行われ、茂山忠三郎社中による奉納狂言も行われる。
本尊の虚空蔵菩薩が「種々の芸道に長じ、技芸に上達せんと欲するものは、わが名をとなえよ」と語ったとされることにちなみ、毎年この日に営まれる。
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★京都の春の観光シーズンのトップを、保津峡に早春の訪れを告げる嵐山から亀岡へと走る名物「嵯峨野トロッコ列車」が三月一日に再開し、春のオープン船営業を迎えた。名勝「保津川下り」の川開きが三月十日、出発地の亀岡市保津川遊船乗船場で開かれた。 この日からビニールシートなどで覆っていた座敷暖房船から、通常のベンチシートの船に変わる。例年は「川開き」と呼んでいたが冬場に運休していたとの誤解を避けるため、昨年から「保津舟の日」と改称した。
この保津川下りは古く、慶長十一年(一六〇六)角倉了以が、木材・薪炭など丹波地方の産物を京へ送るための産業水路として開いたもので、今では日本一の川下りとして、国内はもちろん世界的にも有名です。保津峡を開削して今年で四百一〇年目に当たる。
華やかに、色鮮やかに飾り付けられた遊船や、米俵や酒樽を積んだ当時を再現した「荷舟」が仕立てられ、穏やかな春の陽光を浴びながら、水ぬるむ川面を保津峡へと漕ぎ出し、古くから伝わる「旭太鼓」を披露する地元の男性を先頭に乗せた遊船が、勇壮な音を響かせ出航する。
 吹き流しや花で彩られた花飾り船を先頭に十隻が連なるように終着嵯峨嵐山までの険しく美しい峡谷景観を楽しみながらの十六㌔の急流を約二時間かけて下る川下りを、豪快な船頭の竿裁きを頼りにスタートする。
乗船料金は大人 四千百円:小人 二千七百円。
貸切船 一隻 定員十七名まで 八万二千円
午前九時~午後三時半まで、十一月三十日まで毎日七便運航。
 
★平安貴族の歌遊びを再現する「春の曲水の宴」が一〇日、上京区北野天満宮であった。梅の花が咲く中、詠み人が「恋」「賀」を題材にした和歌や漢詩を披露した。
天皇の宴に度々招かれたという祭神・菅原道真を顕彰し、同天満宮が企画。一昨年から秋のみ実施しており、春は初めての開催となった。
平安装束をまとった男女は、庭園内の小川に流れる杯を受けて酒を口に含み、題材に沿った歌や詩を短冊にしたためた。訪れた人は、詩の朗詠などに聞き入り、みやびな雰囲気を堪能していた。