2018年10月 1日(月)

神無月の名を欺いて、京都の十月はお祭り月。春とは一味違う別の華やかさが街に満たされます。
          【今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事]
 
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★花街・祇園甲部歌舞会の秋恒例の「温習会」が祇園甲部歌舞練場で十月一日から始まった。温習会は、芸舞妓が精進を重ね、日頃の稽古の成果を披露する舞台。
温習会は、春の都をどりと違い演目が日によって異なり、お気に入りの出演者や演目で観劇する日を選ぶ楽しさもあります。 今年は舞妓二十九名、立方四十一名、地方十六名の総勢八十六名が、研鑽の成果を六日間に渡って披露いたします。
指定席 八五〇〇円、自由席 四〇〇〇円。
 
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 京都府内に約六〇〇ある浄土宗の寺院で普段は公開していない仏像や宝物などが拝観できる「京都浄土宗寺院特別大公開」が十月一日から、京都府内と大津市の計八十六カ寺ではじまる。
京都市宇治市亀岡市木津川市京田辺市城陽市井手町大山崎町の各寺院が参加する。
 
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 上京区の尼門跡寺院・光照院では七、八日に本堂安置の釈迦(しゃか)如来像を初公開する。鎌倉時代制作の如来像には平安時代に流行した截金(きりかね)細工の文様が施されており、二つの時代の特徴を見ることができる。本堂には南画家田能村直外が手がけた花づくしの天井画八十面があり、ウメやボタン、キクなどさまざまな花が参拝者の目を和ませる。
大公開は府内の浄土宗寺院でつくる浄土宗京都教区が、寺に親しんでもらおうと毎年秋に行っている。
✸ ホームページ
http://www.jodo-kyoto.jp/ をご覧ください。
 
 ★六十年に一度の法要「戊戌(ぼじゅつ)開封法会」が一日、右京区嵯峨の大覚寺真言宗大覚寺派大本山)で始まった。平安時代嵯峨天皇が写経した般若心経を納めた心経殿の扉が開かれ、多くの参拝者が訪れた。
法要は飢饉(ききん)や疫病流行が相次いだことを受け八一八(弘仁九)年、嵯峨天皇が一字ごとに三度礼拝し写経した故事にちなむ。同年が「戊戌」であったことから鎌倉時代以後、六〇年ごとに写経の封を解き法要を営んでいる。
午前十時半、黒沢全紹門跡らが読経する中、僧侶が写経を納めた心経殿の扉を開いた。開封後、高円宮妃久子さまと三女の絢子さまが写経を拝観された。法要終了後には一般の参拝者も見学した。
同寺の岡村光真執行は「嵯峨天皇は国民が苦しむ様子に心を痛め写経された。今年は天変地異の多い厳しい年となっている。思いを新たにしつつ、多くの参拝者を迎えたい」と話した。十一月三十日までの期間中、僧侶による伝統的な法要やいけばな嵯峨御流の華道祭などが営まれる。参拝料千円。
 
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 ★学業の神・菅原道真公が祀られる上京区北野天満宮で、秋の大祭「ずいき祭り」が十月一日から五日まで行われる。
祭の由来になったずいき(里芋の茎)など食物で飾った御輿のお祭りで、一年の五穀豊穣を感謝し、神前に新穀、野菜、果実などを供えたのが始まりで、室町時代から続くとされています。

毎年九月初旬から地元の人々によって手作りされ、屋根と四本柱をすべて瑞饋(ずいき)を使い、鬼瓦をかしら芋、瓔珞(ようらく)を茄子や唐辛子、ほおずきなどで飾った鳳輦(ほうれん)というずいき神輿に御霊を移す出御祭が行われた後、導山を始め三基の鳳輦と松鉾他が北野天満宮の本社を出て、宮司など神職を始め氏子崇敬者らが供奉、約百五十人余が祭列を整え氏子区内を巡行して、約四㌔離れた西ノ京の御旅所まで華やかに練り歩く。
着御祭に引き続き氏子地域より選ばれた女児による「八乙女田舞(やおとめたまい)」が奉納されます。
鳳輦は還幸祭の四日までずいき神輿とともにお旅所に駐輦され、その間お旅所には多くの出店が連日、軒を並べ祭り気分で賑わいます。
☆ 二日 ずいき祭・献茶祭
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御旅所で表千家宗匠による献茶祭。人に振舞うお点前ではなく、神に捧げる作法の違いに注目です。
☆ 三日 ずいき祭・甲御供奉鐉 
 西ノ京七保会による甲御供奉饌(かぶとのごくほうせん)が行われます。
一五二七年、阿波の三好長基が都に攻め入った時、たまたま入洛していた越前の守護職朝倉敏景が、西ノ京の神人と協力して長基を阿波に追い落としました。将軍足利義晴は、神人の功を賞し北野天満宮に甲の御供を定めたのが始まりです。一時中絶されましたが、明治四十年旧神人(七保会)の努力により復活し今日に至っています。
☆ 四日 ずいき祭・還幸祭
 御旅所で出御祭が執り行われ、後に出御、牛に曳かれた御羽車も加わり祭礼の行列が氏子区内を巡行して夕方本社に還御、還幸祭が行われます。
☆ 五日 ずいき祭・后宴祭
 拝殿前にて「八乙女田舞」が奉納されます。八人の乙女たちが鈴を持って舞を舞うというもの。拝観者は外で見学できます。
 伏見区御香宮神社で十月一日から九日まで、神幸祭が行われる。
伏見九郷の総鎮守の祭りで、室町時代の風流傘の伝統を今に伝えており、「伏見祭」とも「花傘祭」とも呼ばれる洛南の大祭。

花傘は伏見九郷の氏子らが競って風流傘を飾り立てたのが始まりとされています。
一日は、氏子町内の花傘や神輿がお祓いを受ける「花傘総参宮」が行われ、毎年約二十の町内の氏子たちが直径約三㍍もの色鮮やかな花傘や神輿を揺らしながら大手筋商店街などを練り歩きます。
神幸祭では、獅子若行列、猿田彦行列、神輿の巡行に、 稚児・武者行列が参加する。
 
    2018年 10月 2日(火)
     [今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事]
 
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 東山区三十三間堂で、新たに国宝に指定される一〇〇一体の「木造千手観音立像」を一・二メートルの高さから拝観できる「秋雲壇(しゅううんだん)」(幅一メートル、長さ七・八メートル)が初めて設けられた。国宝指定を祝う慶讃(けいさん)法要が三日から始まるのに合わせて、十一月二十六日まで設置する。
堂の北端と南端に置かれた風神・雷神像と同じ目線で千手観音立像を眺められるよう、秋雲壇の高さを二像の台座の高さに合わせた。壇に上ると、普段は前列の観音像に重なって見づらい後列の観音像の姿もよく見え、下から見るのとは全く異なった迫力が感じられる。
秋雲壇は、慶讃法要が営まれている間も上ることができる。普段は東京国立博物館奈良国立博物館京都国立博物館に寄託されている五体の観音像も十一月末までの期間限定で「里帰り」しており、一〇〇一体が一堂に会した姿を眺められる。階段のみでスロープはない。
一般六〇〇円(中高生四〇〇円、小学生三〇〇円)。先着千人に、全ての像の名前を記した「仏名(ぶつみょう)帳」を配布する。