"おいない"の京都最新情報

2018年 7月20日(金)

     [ 祇 園 祭 シ リ ー ズ]

画像

祇園祭後祭(あとまつり)の山鉾巡行(二十四日)を前に、組み上がって懸装(けそう)品を飾り付けた山や鉾を試しに動かす「曳初(ひきぞ)め」が二十日、中心部の山鉾町であった。酷暑のまちなかで大勢の市民らが汗を流しながら綱を手にした。
炎暑真っただ中の午後三時、北観音山(新町通六角下ル)では、音頭取りの「エンヤラヤー」の掛け声とともに参加者が綱を引いた。祇園囃子(ばやし)が奏でられる中、山はゆっくりと動きだし、新町通の錦小路と三条通の間を往復した。
この日は、南観音山や大船鉾などでも曳初めが行われた。


      [今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事] 

画像

清らかな水に足をつけて無病息災を願う「御手洗(みたらし)祭」が二〇日、左京区下鴨神社で始まった。厳しい日差しが照りつける中、参拝者が御手洗池に入り、涼を感じながらろうそくで献灯した。
同行事は平安時代の貴族が夏の疫病やけがれをはらったのが始まりとされる。「足つけ神事」と呼ばれ、毎年土用の丑(うし)の日のころに行われる。
厳しい暑さが続き、朝から気温が上昇。午前十一時には気温が三十四・五度に達したが、午前中から多くの人たちが訪れた。参拝者はひんやりとした水に素足を浸して池の中を歩き、ろうそくを置いて手を合わせた。
二十九日まで。午前九時~午後九時。

画像

★キュウリを使って健康を祈る「きゅうり封じ」が二十日、北区の神光院であり、参拝者が病気平癒と無病息災を願った。願いを書いた札をキュウリに差し込んで祈祷し、患部をそのキュウリでさすってから土に埋めると、土に返るころには病気が治っているという信仰。弘法大師が中国から伝えたとされる。
神光院では、毎年、土用の丑の日に合わせて行われており、この日は千本が用意された。参拝者は祈祷を受けながら、名前入りの半紙に包まれたキュウリの山を前に、真剣な表情で手を合せていた。

画像

右京区鳴滝・三宝寺で土用の丑の日(今年は二十〇日)に行われる夏越行事「炮烙(ほうろく)灸祈祷」がある。
最も暑いこの時期に行う日蓮宗に伝わる独特の秘法で、頭痛など諸病を封じるといわれている。
住職が祈祷する中、呪文を書いた直径二十㌢の土製の焙烙を頭の上にのせ、もぐさをのせて僧侶にお灸をすえてもらう。
そして木剣で九字を切られると平癒するというもの。一年で最も暑いとされる土用の丑の日に行われる日蓮宗の祈祷で、暑気払い、中風封じに効くと言われていますが、今では、祈とうが頭の魔を封じることから、学力向上を願い受験の合格祈願に訪れる母子が増えているそうです。
一九四二年から始めた。毎年、全国から大勢の人が訪れる。


画像

左京区・妙雲院で「土用の丑」の二十日、頭にかぶせた直径二十㌢の素焼の皿「炮烙」の上でもぐさを燃やす「炮烙呪灸」が、早朝から信徒や市民が次々と訪れ、健康増進を願った。住職が法華経を唱え、本堂が煙に包まれる中、頭上の熱さをグッとこらえていた。
お灸の熱で頭のツボを居激すると、夏バテや頭痛に効くといわれており、妙雲院は「耐熱修業」として、一九四三年から始めた。
住職の祈祷の後、一人一人の頭の上に健康祈願の呪文を記した炮烙を置き、もぐさに火を付けて、火が消えるまで、じっと暑さに耐えていた。