2018年 3月 11日(日)

     [京 の 季 節 の 花 だ よ り]
 
 ★中京区の下御霊神社で十一日、梅の花をめでる「梅和祭(うめなごみのまつり)」が開かれた。参拝者らが境内にひときわ映える紅梅に見入っていた。
同神社が紀元二六〇〇年を記念して、一九四〇年に二本の紅梅を植樹した。見頃の時季により多くの人に観賞してもらい、心和んでほしいと、今年初めて催しを企画した。
本殿横で樹高一〇メートル近くに育った紅梅は今、八重の花が咲き誇っている。満開で見応えがあり、近づくと優しい香りで気持ちが落ち着きます。同神社によると、見頃は今月中旬ごろまでという。
 
  2018年 3 月 14 日(水)
     [今日の情報・歳時記・催し・話題・出来事] 
 
 ★仏教を開いた釈迦の遺徳をしのぶ涅槃会(ねはんえ)が十四日、東山区泉涌寺で始まった。
同寺の仏殿には、釈迦入滅の様子を描いた国内最大級の「大涅槃図」が掲げられ、多くの参拝者が見入っていた。
泉涌寺の大涅槃図は、江戸中期の享保二(一七一七)年に浄土宗の僧侶によって奉納されたと伝わる。縦一五.一メートル、横七.六メートル悲嘆にくれる様子が描かれている。あまりの大きさのため天井から柱、床にかけて「コ」の字型に掛けられている。 
近くの東福寺でも同日、涅槃会が始まり、猫が描かれた独特の涅槃図が掛けられた。両寺とも十六日まで。
      2018 年  3 月 16 日(金)
     [京 の 季 節 の 花 だ よ り]
 
 ★北区の平野神社で早咲きの「モモザクラ」が見頃を迎えている。
青空の下、春の訪れを告げるかのように白い花が咲き誇り、参拝客の目を楽しませている。
モモザクラは、中国原産で「唐実桜」の別名。同神社の境内には、花が咲くと京都の花見の始まりを告げるという「サキガケザクラ」や八重咲きの「ヒラノナデシコ」、五月初旬に見頃の「ツクバネザクラ」など六〇種四〇〇本のサクラが植えられている。
ここ数日の好天で一気に開花した。十八日ごろまで楽しめるという。
 
 ★春の訪れを告げる「お松明(たいまつ)式」が十五日夜、右京区の嵯峨釈迦堂(清凉寺)であった。
大松明に点火されると大きな火柱が立ったり火の粉が舞い上がったりして夜空を焦がした。
釈迦が亡くなった日とされる涅槃会(ねはんえ)の行事の一環。釈迦が荼毘(だび)に付される様子を表すという伝承がある。松明の燃え方でその年の農作物の豊凶を占うという。
大松明は三基あり、地元の保存会が松の木を組んで藤づるで固定し、松の葉を当てるなどして三角すいの形に整えて作られる。早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)に見立てられ、長さが少しずつ異なる。
午後八時半ごろ、僧侶による読経と拍子木、鈴(りん)が響く中、長さ約六・四メートル~約五・八メートルの三基の大松明が、護摩壇の火で点火された。燃え盛ると、取り囲んでいた見物客たちは熱さで後ずさったり歓声を上げたりしていた。