【今日の情報 : 歳時記・催し・話題・出来事】

 上京区北野天満宮で十一月二十二日から、京都では正月の縁起物として知られる「大福梅」の袋詰め作業が紅梅殿で始まり、カラカラになるまで天日干しした梅の実を巫女や神職たちが、ほのかに香る梅が緑鮮やかなウラジオの葉と共に丁寧に祝儀用ののしをかたどった奉書紙に包み、早くも迎春ムードが漂った。 大福梅は、平安時代の九五一(天暦五)年に病にかかった第六十二代・村上天皇が服用して、病気が治り、「王服」として庶民に広まった故事にちなみ、元旦にさゆに入れて飲むと一年間の無病息災が叶うとされている。 今年も六月に境内から約一五〇〇本の梅の木などから二.五㌧ほどの梅の実を採取し、梅雨明けから四週間ほどかけてカラカラになるまで塩漬けにして干していた。 六個一袋にしてウラジロの葉を添えて和紙で包み、約三万袋を作り、事始めの十二月十三日から二十五日の終い天神のころまで一袋七百円で授与される。作業は今月末まで続く。
 
 ★新春のお神酒「橘酒」の材料となるタチバナの実の収穫が、八幡市八幡の石清水八幡宮で始まった。 黄金色の小さな実を二人の巫女(みこ)がはさみで丁寧に摘み取った。 タチバナの実は古来、「不老長寿」の効用があるとされ、同八幡宮の社紋に用いられているほか、江戸時代には実を木箱に詰めて宮中や将軍家に献上したといわれ、八幡宮との関わりが深い。タチバナの木は本殿内にある舞殿東西の庭に一本ずつ植えられており、実を使ったお神酒を八幡宮で販売している。柑橘(かんきつ)系のさわやかな風味が好評だという。 巫女の二人はタチバナの木から約三センチの実を摘み取り、次々とかごに入れた。八幡宮によると、今年は西側の木に実がならなかったため、収穫は例年の半分以下の五キロほどという。実は二十三日の新嘗祭で神前に供えた後、城陽市城陽酒造で酒に漬け、三年間熟成させる。
 
 ★京都の花街の風情を詠んだ歌舞曲「祇園小唄」をたたえる祇園小唄祭が二十三日、東山区円山公園であった。 舞妓が「月はおぼろに東山」で始まる歌詞を朗読し、京情緒を広めた名曲の功績に感謝した。 祇園小唄は昭和初期に作家長田幹彦祇園のお茶屋「吉うた」で作詞し、映画の主題歌として大ヒットした。京の四季や舞妓の心情を盛り込み、五花街でも舞踊曲として親しまれている。同祭は、京都伝統伎芸振興財団と京都花街組合連合会が二〇〇三年から毎年開いている。 この日は、色づいた木々に囲まれた歌碑の前で、祇園東の舞妓二人が歌詞を読み上げ、関係者とともに献花した。集まった観光客に歌詞カード二〇〇枚を配って、歌の魅力を伝えた二人は「一番、舞わさせていただく曲。あらためて読むと、四季折々の情景が目に浮かぶすてきな歌です」と話していた。
      【京 の 紅 葉 だ よ り】 (24日 調べ)    
    
『見 頃』  清水寺 ・ 嵐山 ・ 保津峡 ・ 北野天満宮  ・ 光明寺 ・  東福寺  ・  勧修寺 ・ 府立植物園 ・ 実相院  ・ 高 雄  ・    常寂光寺 ・ 善峯寺  ・  平等院   ・  光明寺 ・ 美山大野ダム 
『落葉近し』 志明院 ・  鍬山神社 ・ 笠置山 ・ 永観堂 ・ 三千院 ・ 金剛院