[葵 祭 シリーズ]

 葵祭を締めくくる恒例行事「煎茶献茶式」が五月二十八日、下鴨神社で行われた。
神前でカツラの枝とアオイの葉を烏帽子に飾った神職らが神前でお祓いをした後、葵祭が滞りなく行われたことを奉告し、舞殿で煎茶小川流の小川可楽家元嗣(いえもとし)が、炭をととのえた後、白の紋付きにはかま姿で白磁の太極紋染め付けの同流独特の「滴々の茶」を注ぎ、東と西の二神に厳かに一煎を献じた。葵祭の後祭で、祭りが無事に執り行われたことを報告し感謝する。
境内の供御所と直会殿には、煎茶席と玉露席が設けられ、青々とした緑の木々の元で汗ばむほどの陽気の中、全国の社中ら約三〇〇人が参列し、口中に広がる滋味豊かな茶を楽しんだ。
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流鏑馬(やぶさめ)発祥の地とされる伏見区の城南宮で二十八日、城南流鏑馬が行われた。
平安時代白河上皇が城南離宮で催した流鏑馬が、史料に残る最も古い記述とされる。一二二一年に後鳥羽上皇流鏑馬を理由に兵を集め倒幕を謀った「承久の乱」以後は途絶えたが、二〇〇五年に復活した。時代装束をまとった射手が参道を疾駆し、矢が的に命中すると観客から大きな歓声が上がった。
今回は境内の摂社・真幡寸(まはたき)神社と近くの飛鳥田神社が「官社」に昇格して一二〇〇年に当たることから三年ぶりに開催した。
参道二一〇メートルに砂を盛って即席の馬場を整え、京都産業大の学生が的を立てる役や矢を拾う役などで初参加した。射手は馬上から三つの的を目掛けて矢を放ち、命中してパーンと音が響くたびにどよめきが起こった。