"おいない"の京都最新情報

【葵 祭 シリーズ】

 

左京区下鴨神社で、葵祭の道中の安全を願う疾駆する馬の上から的を射る「流鏑馬ヤブサメ)神事」が葵祭の露払いとして五月三日営まれる
新緑の糺の森のトンネルを駆け抜ける馬上から射手が矢を放ち的を射抜く。
「カーン」という的が割れ飛ぶ音と共に、観衆の拍手と歓声で盛り上がる。この流鏑馬は、飛鳥時代の伝統を受け継ぐとされる。
平安装束や江戸時代の平騎射(ひらきしゃ)の装束を身につけた射手が、全力疾走の馬上から、「インヨウイ」(陰陽射)、「ヤーオ」(矢追う)の矢声(やごえ)を発し、一〇〇メートルごとに置かれた三つの的に矢を放った。木製の的に当たると「カーン」と甲高い音を響かせ、観客席から大きな拍手と歓声が上がった。
明治時代から途絶えていたのが一九七三年(昭和四十八)年の式年遷宮を記念して復興した。
葵祭の道中の安全を願う神事で、古式ゆかしい公家装束姿の弓馬術礼法小笠原流一門が全長約四百メートルの馬場を疾走し、途中百メートル間隔に三ヶ所設けられた五十センチ四方の杉板の的をめがけて馬上から次々と矢を放ち、射終わるまでわずか二十秒足らずの、一瞬の業に集中する迫力いっぱいの神事。本殿で社頭(しゃとう)の儀があり、葵祭の道中の無事と天下太平を祈った後、神職が射手に弓矢を手渡した。
下鴨神社宮内庁から譲り受けた馬車が登場する。
 
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 左京区狸谷山不動院で五月三日、無病息災などを祈願する「狸谷山大般若祈願会」が行われた。
赤々と燃えさかる本堂で、春の新緑の時期に毎年行っている法要。
本堂内にたかれた火に願い事を記した護摩木をくべ、護摩導師と読経僧二人が、六百卷からなる大般若経を、左右の手の間で流れ落とすように開いて転読し、朗々とした声が響く中、参拝者は本尊に向けてこうべを垂れて合掌し、お経を唱和した。
転読は、蛇腹状の経本を扇のように広げて大般若経を読み進める法要。転読の際に起きる風「梵風」を浴びると無病息災の御利益があるとされる。体から邪気を払う「たたき加持」も行われ、参拝者一人一人の肩を経本でたたいた。

 
 
★中京区・二条城清流園で五月三日から各流派による「市民煎茶の会」が始まった。
煎茶の会は毎春実施され、今年で六十二回目。
新緑の美しい庭園を眺めながら、煎茶各流派の御茶席を楽しめる。
五月三日 小川流、瑞芳菴流、
五月四日  賣茶本流、泰山流
五月五日、皇風煎茶禮式、玉川遠州流
煎茶六流派が五日まで三日間、普段は公開していない香雲亭と和楽庵で点前を披露する。
一席につき約二十人の参加者に、家元と弟子が流派のいわれや軸、花を説明した。
観光客や市民が初夏のさわやかな風を感じながら煎茶の香りを楽しみ、若葉がまぶしい庭園を眺めながら、優雅なひとときを過ごした。
当日は国宝の二の丸御殿、狩野派の襖絵、二の丸庭園も公開中です。
 
 
西京区・大原野の善峯寺で五月三日、四日と地域の特産、竹の子を煮込んだ「筍焚き」が始まり、参拝者は朝堀りの採れたてのタケノコを味わい、無病息災を祈った。
寺では境内の約千平方メートルの竹やぶで採れた竹の子を一般の観光客にも味わってもらい、新緑の季節の風物詩にしようと二〇一〇年から始めた。山間部で旬の時期が遅れ、ゴールデンウイーク頃に重なるという。
収穫したタケノコ二キロを、開山自作と伝わる石仏釈迦如来像に供えたあと、かまどで湯がき、昆布だしと醤油の薄味の煮汁で一昼夜かけ味をしみ込ませた。
拝観料 大人 五百円。 別途 一食 五百円が必要。