"おいない"の京都最新情報

【葵 祭 シリーズ】

 ★北区・上賀茂神社で五月五日の「賀茂競馬会(クラベウマエ)神事」を前に、本番に備えて出走する十頭の馬の状態を確かめ、組み合わせを決める「足汰式」(アシゾロエ)が五月一日、境内の馬場で行われた。
「競馬会」はもともと宮中で行われてた神事
一〇九三(寛治七)年に天下平や五穀豊穣を祈願して宮中から上賀茂神社に場所を移して始まったとされ、今年で九百二十二年目。無形民俗文化財に登録されている。
「足汰式」は、乗尻(ノリジリ)と呼ばる騎手は神社の神職を代々務めた社家子孫が担う。乗尻が使う鞭や馬の足を内の川で清め、馬の毛並みや歯を診て健康状態や馬齢を確認する。
続いて十頭の馬が一ずつ素駆けで馬場を走り、乗尻の姿勢や鞭の作法などを披露。最後に同じような状態の頭ずつが左右に分かれ、直線約百五十㍍の馬場を、芝を蹴り上げ全力で競う。

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若葉もすがすがしい新緑の京都にひときわ彩りを添える京の「春のをどり」の最後を飾るにふさわしい舞妓、芸妓の舞・「第百七十九回鴨川をどり」が芸舞妓があでやかな王朝絵巻や愉快な道中記を繰り広げて舞台を彩った。
鴨川をどりは、明治五年の初演以来、長年の伝統に裏づけられた確かな伎芸で、京の年中行事として欠くことの出来ないものとなっています。
【2016年の演目】
 第一:「源氏物語―葵―」四場 光源氏と葵の上、六条御息所による愛憎渦巻く展開。生霊も現れます。
 第二:「道中双六―東下り―」六景 京から江戸に向かって東海道を下る芸妓が、各宿場で道中記を繰り広げます。
第一景 三条大橋 第二景 大津絵 第三景 土山 第四景 亀山金谷 第五景 大井川 第六景 鴨川べり
芸舞妓があでやかな王朝絵巻や愉快な道中記を繰り広げて舞台を彩った。
源氏物語-葵」では、光源氏を巡る葵の上と六条御息所が織り成す場面を題材にした。色とりどりの衣装をまとった芸妓が次々と登場し、場面ごとに優美な舞を披露。迫力ある御息所の生き霊や切ない秋の別れが招待客を魅了した。
「道中双六(すごろく)-東下り」は、三条大橋から出発する芸妓の東海道二人旅。大津や亀山、大井川など各地の特徴を踏まえて物語が展開し、鈴鹿山で遭遇する山賊たちが舞台を盛り上げた。最後は藤の花が満開の舞台で芸舞妓がそろって舞い、華やかに幕を閉じた。
◆開催期間  五月一日(日)~二十四日(火) 
◆開演時間  午後十二時三十分~、二時二十分~、四時十分、(一日三回公演)
◆観覧料   茶券付特別席:四千八百円・特別席:四千二百円・普通席:二千三百円

 §上京区・千本閻魔堂(引接寺)と中京区・神泉苑で五月一日から四日まで恒例の「大念狂言」がそれぞれ始まった。

★「千本えんま堂大念仏狂言」は壬生寺、峨釈迦堂とならぶ京の三大念仏狂言の一で、ほとんどの演目でセリフが入るのが特徴。寛仁年間(一〇一七~二十一)に比叡山の高僧・定覚が布教のために大念仏踊りを始めたが起こりとされる。
えんま堂にちなみ、幕開けは、ゑんま堂の狂言で数少ない無言劇の「えんま庁」。不思議な力がある巻物を持った亡者をいじめる鬼が、ゑんま法王らによって追放される話。
初番は必ず「閻魔庁」が、最終には「千人切り」が演じられます。
足利義満が普賢象桜をめでたのが縁で、花の盛りに行われる。

 ★「神泉苑大念仏狂言」は壬生狂言の流れをくむ金鼓や太鼓、笛の音に合わせて身振りまねでセリフなしで演じるユーモラスな無言劇。(京都無形民族文化財
神泉苑狂言の演目は三十種ほどあり、宗教物、世話物、太刀物など種々である。
各演目とも出演者は必ず面をつけ壬生狂言の流れをくむ無言劇で、金鼓、太鼓、笛の囃子に会わせて演じられる。
神泉苑狂言のことを「カンデンデン」と俗称するのはこのためである。
無言劇のためか台本といった正確な記録もなく、ただ、先輩のしぐさを見よう見まねと、口伝秘伝だけで行うため、その伝承に古格を守るきびしい修練と長い年月にわたる養成とが必要である。
最初の演目は「花折」。若い僧が境内の桜の番を言いつられたが、酒宴に加わって酔っぱらい、桜の花を折っしまう。茶店で見染めた娘をめぐるユニークなストーリーの「愛宕詣」、鐘や太鼓のリズムに乗りながら、若い僧がヨタヨタとっぱらう動きに笑いが起こった。「大黒狩」は妻帯した僧の話で、僧が妻子の存在を隠そうと慌てるたびに観客から笑いがもれた。ほかに「羅生門」」、「道成寺」や計五演目を行った。
※ 共にユーモラスな所作の伝統的な演目で笑いに包まる。  

     [京 の 季 節 の 花 だ よ り

南区の市上下水道局鳥羽水環境保全センターで、名物のフジ棚が一般無料公開されている。
ゴールデンウイークの恒例行事で、好天に恵まれ全長一二〇メートルに及ぶフジ棚が見頃を迎え、淡い紫色のカーテンのようになり、甘酸っぱい香りを漂わせている。
大勢の見物客が陽光に映える花々を満喫した。
公開区域には三品種三十七本のフジが植わる。紫色の花びらのナガフジはいま見頃で、白の花が咲くシロバナフジは満開間近。長さ約一二〇メートルのフジ棚の下では、来場者が鮮やかなコントラストを見せる二種類の花を撮影し、おしゃべりを楽しんでいた。
二十九日まで。無料。期間中はJR京都駅八条口と市営地下鉄竹田駅西口から臨時バスを運行している。